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チュニジア現地レポート(第11回): チュニジアの夏の過ごし方(北部と南部内陸の居住経験談)

こちらの記事は、チュニジアの夏の気候や風土、現地での暮らし等に関心がある方にお伝えしたい情報です。

2022年8月開催予定のアフリカ開発会議(TICAD8)開催国であるチュニジア。

チュニジア在住の弊社スタッフSが、
チュニジア北部・南部両方での居住経験をもとに、工業・人材・食・生活・美容など、多種多様なチュニジアの魅力を様々な角度からご紹介していきます。

前回(第10回)の記事では、中東・アフリカ双方に属するチュニジアの国際的立ち位置についてご紹介しました。

今回の記事では、例年チュニジアの夏にみられる生活様式や各種の行事、経済活動についてご紹介します。

1.チュニジアの夏時間:夏場の注意事項と過ごし方(南部内陸部と首都の違い)

首都チュニスの位置するチュニジア北部の気候はヨーロッパの南部と似ており、40度を超すような猛暑日はあるものの、比較的過ごし安い環境です。
東側の海岸線に沿ったガベス県やメドニーン県も南部に位置してはいますが、海に面しているため、内陸ほど気温は上がりません。

一方で、南部内陸部は夏の日差しはさらに強く、気温上昇が激しいです。
そのため、夏の南部観光は過酷ですし、出張業務のある方は万全の熱中症対策をとって頂くことを強くお勧めします。

私は首都と南部内陸部の居住経験がありますが、夏場に首都に居住していて最も厄介だったことは蚊です。この時期は網戸をつけてもがどこからともなく発生します。特に夜中の就寝中は蚊に悩まされます。
居住地区にもよりますが、夏場に首都に滞在する際は予め強力な蚊よけ対策をすることをお勧めします。それに比べて南部内陸部では、蚊が発生することはまれです。

また、乾燥地域のため洗濯物も3時間もあれば乾きますし、首都ではできない、夏場は夜空の下、そよ風に吹かれながら屋外で眠る贅沢さもあります。
しかしながら、“暑さ”という点では南部、特に内陸に位置する地域はとても過酷です。

トーズル(トズール)県やガフサ県ではコンクリート道路にフライパンを置いて目玉焼きができるほどですし、就業時間を昼夜逆転させもいいのではないかと思う程の強烈な暑さなので、畑の水撒き作業は日が落ちてから行われます。

例年チュニジアの夏は7月に本格的に始まりますが。今年は異例の6月後半から始まり、私の居住地域では連日43度に達しました。
そのため、南部内陸部での家庭でのエアコンの設置は必須ですが、中には体質的に冷房や扇風機が合わず、暑さを耐え忍んでいる人もいます。

逆に、強烈な日差しの中、屋外での仕事に出かける人々もいます。ここでは色黒の人が多いのですが、Tシャツ焼けを確認すれば、実は色白でただの日焼けの人もいます。人間の適応能力は素晴らしいですね。
我こそはという方は万全の熱中症対策の上、夏の南部での生活に挑戦してみてください。

※チュニジアには夏の2か月間(7~8月)に夏時間と呼ばれる就業時間が存在します。特に公務員の業務時間は、月~木は8:00~14:30、金曜8:00~13:30に短縮されるため、事前に業務調整されることをお勧めします。

2.夏の風物詩:結婚式と野外フェスティバル、夏フェスの始まり

チュニジアの夏と言えば、結婚式です。伝統的な結婚式は3日かけて行われますが、現代のチュニジア社会では、夏以外に行ったり、中には1日で終えたり、市役所に婚姻届だけを提出したり、伝統だけに囚われない人々もいます。
しかし、3日間の結婚式を盛大に執り行いたい家庭も多く、特に夏の3日間の結婚式を重要視する人々もいます。

また、夏は長期休暇で海外から帰国する親戚も多いため結婚式に参加しやすいですし、涼しい夜に行われます。首都に居住していた頃も、季節を問わず、夜の21時頃から、大音量で太鼓の音やらが聞こえ何事かと思うことがありました。

南部では夏に星空の下で眠ることが一般的なので、さすがに眠りにつくことは難しく、毎晩開催され、中には日付をまたぐことも多々あります。
多くの家庭が行っているので一般化してはいますが、夜から始めるなんてと思っているチュニジア人もいます。

結婚式には地域性も出るため興味深いです。南部の一部家庭では、伝統的に花嫁が駱駝に乗って花婿の家へ訪れるスタイルもあるので、こういった伝統文化は高級感を出せば今後チュニジア国内で流行るのではと個人的には考えています。

地域にもよりますが、こちらでの典型的な結婚式は、1日目は結婚契約、招待客に夕食を振る舞う日、2日目はヘンナの日と言われ、男女ともにヘンナを手足につけ(男性は小指に少量)、その後花嫁と花婿は各々の親戚ごとに集まり祝います。
3日目は、花嫁は美容院へ行き身なりを整え、花婿の家に帰る日とされています。ヘンナはインドのメヘンディに共通点があり、観光客向けにも行われているので是非試してみてくださいね。

さらに、夏の夜は野外フェスの季節でもあります。屋外での古代遺跡を利用した様々なジャンルの音楽祭やダンスやバレエなど海外からアーティストを招いて野外フェスが盛大に行われます。

夏のコンサートで個人的に印象的だったのは、2019年には海岸地域に位置するマハディーヤ(マーディア)県のエルジェム闘技場(ローマ遺跡)で行われた、7月25日の共和国記念日を祝う演奏会です。

生オーケストラをバックに著名なチュニジア人音楽家ロトフィ・ブシュナーク氏を招いて、国歌斉唱が行われました。会場の遺跡はもちろん、夜にライトアップされたとても圧巻のある演出です。

3.南部のギベッリ(ケビリ)県は世界で最も暑い地域の1つ:待望の太陽光発電、経済を支える南部の気候

前述の通り、夏のチュニジア南部は40度越えが普通です。チュニジア海外投資促進庁によれば、チュニジア政府も2030年までに再生可能エネルギーの生産30%を目標に進めています。同国は1年のうち250日が晴天日で、太陽光エネルギーの活用は最重要視しているのとのことです。

南部であれば特に内陸部に位置するギベッリ(ケビリ)県は世界で最も暑い地域の1つにも選出されており、1931年には55度に達しています。

内陸部で生活する者としては、早急に公共事業としての太陽光発電プロジェクトを開始し、国民に還元することが必要ではないかと思います。
目の前にある自然エネルギーを有効に使わない手はないですし、エアコン代を支払うのが馬鹿らしくなるほどの日照り具合です。
夏場の南部家庭でのエアコン使用は決して安くはない出費ですが、時折、断水や停電も発生し、公共インフラの脆弱性は内陸部に住む幼児や高齢者にとっては死活問題となっています。

トーズル県では2019年に10MWの容量を持つ太陽光発電所が開設されました。全トーズル県民に還元されるエネルギー量には至っていませんが、大きな前進と言えます。
また、去年から個人向けにも太陽光パネルが販売され始めました。

こうした恵まれた自然エネルギーは長年利用されていなかったため、今回の家庭用太陽光パネルの販売も品質と価格帯に別途評価はあるものの、大きな一歩と言えます。

チュニジアの再生可能エネルギー事業については、ヨーロッパ諸国からも注目されており、政府は国内はもちろんのこと、エネルギー輸出も視野に入れているようです。

このように、南部の強烈な気候は、太陽光とともに同国に様々な恵みをもたらしています。また、南部は砂漠の動物である駱駝の生息地であり、デーツの栽培地域でもあります。

日本へも輸出されているデーツはチュニジア農産物の輸出でオリーブに次ぎ、第二位につけています。デーツは砂漠の中でもオアシス地帯でのみ育ちます。
こうした南部の気候はデーツをはじめとする農業や、駱駝が生息する砂漠ツアー等の観光業としての役目も担っています。

今回はチュニジアの夏について様々な角度から触れましたが、今年も去年に続き、残念ながらコロナ禍で様々なイベントが中止に追い込まれている状況があります。
他方で、チュニジア全国にはまだまだ未知なる魅力的な場所が存在します。

しかしながら、現状としてどうしても人口が多いチュニス大都市圏はじめ、観光客重視による海岸線の観光リゾート地域に開発が偏っていることも、国内でも問題視されています。南北にかけて国の“経済”と“食”を支える内陸地域との間に開発格差があるのも事実です。

南部では太陽光発電をはじめ、まだまだ価値のある資源が多く眠っていますし、砂漠のオアシスの特産品デーツやリン酸資源の産出が、これまでのチュニジア経済において重要な役割を果たしてきています。

また、北西の内陸部では国民の食を支える様々な農作物の栽培が行われており、古代遺跡も有しますが、小さな村では今でも水道管が通っていない地域も存在します。

今後、さらなるインフラの整備が国全体の発展をより一層後押しするのではないでしょうか。


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