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チュニジア現地レポート(第10回): 中東・アフリカ双方に属するチュニジアの国際的立ち位置

こちらの記事は、チュニジアや中東・アフリカ圏でのビジネス展開や人材の活用に関心がある方にお伝えしたい情報です。

2022年8月開催予定のアフリカ開発会議(TICAD8)開催国であるチュニジア。

チュニジア在住の弊社スタッフSが、
チュニジア北部・南部両方での居住経験をもとに、工業・人材・食・生活・美容など、多種多様なチュニジアの魅力を様々な角度からご紹介していきます。

前回(第9回)の記事では、日本でも売れそうなチュニジア製品についてご紹介しました。

また、以前の記事(第6回)では、ヨーロッパや中東、アラビア語圏やフランス語圏アフリカ等から様々な人々がチュニジアに集まることをご紹介しました。

今回は、中東・アフリカ双方に属するチュニジアの国際的立ち位置について掘り下げていきます。

1.アフリカ諸国との関係構築:仏語圏アフリカからの留学生の実態 

チュニジアには、仏語圏アフリカからの留学生が多く勉強をしに来ています。
首都に住んでいた頃は、お店などでフランス語メインでやり取りをする多くの留学生グループをよく見かけました。
某大学は、ニジェール、ギニア、カメルーン、ガボン、コートジボワール、コンゴ等からの卒業生を輩出しています。

以前の記事でも触れていますが、チュニジアの大学教育は基本的にフランス語のため、同じ仏語圏であるアフリカ諸国の留学生にとっては、人によっては奨学金を受けながら高等教育を受ける機会もあります。
教育水準が高く、ヨーロッパへ行くよりも近いチュニジアを選択し、フランス語教育で支障のない留学生が集まっています。

卒業後は母国へ戻ったり、チュニジアでインターンをしたりとキャリアを積みます。チュニジアにはこういった仏語圏アフリカ諸国々から高等教育を受けにくる留学生も多いため、今後仏語圏アフリカへ進出を検討する企業が、チュニジア人人材だけではなく、留学生の囲い込みをする機会もあります。

こういった背景から、チュニジアは仏語圏の多い西アフリカ諸国で形成されるECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)との関係性もますます深まると思われます。

また、チュニジアはアフリカ大陸の北から南にかけて東側半分の国々21カ国で形成されるCOMESA(東南部アフリカ市場共同体)に、2018年から加入しています。
古くから、ヨーロッパや中東諸国との関係性が強かったチュニジアですが、自国の強みを生かして、近年サブサハラアフリカ諸国との関係構築にも努めています。

2.チュニジアの地理的な比較優位性(中東・北アフリカ(MENA)市場にも位置するチュニジア)

上述の通り、チュニジアはアフリカ諸国の経済圏にも属しながら、中東と北アフリカ市場(MENA(ミーナ):「Middle East」と「North Africa」)にも位置しています。
近年、湾岸諸国の経済成長を鑑み、この地域は成長市場であると捉えられています。

チュニジアは、中東圏と共通の言語も有しながら、アフリカ市場へもつながっているため、どの市場へもアクセスすることが可能です。
アラビア語とフランス語を折り交ぜて話す国民は、チュニジアだけではなくモロッコやアルジェリアも該当しますが、チュニジアの優位性はやはり地理的な立ち位置でしょう。

チュニジアは地中海諸国の中心部に位置し、アフリカ大陸の最北端でヨーロッパ大陸と中東圏にも程よい距離にあります。モロッコは北アフリカの西岸に位置し西は大海のみです。アルジェリアはモロッコとチュニジアとに挟まれて似通った言語環境にいます。
また、この2か国にはアマジグ諸言語を母語とする人々も一定数存在するため、国全体で同一言語が話されているかという点では、チュニジアほどの統一性はありません。

これらの点に着目すると、チュニジアは西側でアルジェリアや仏語圏アフリカにつながりながら、東側で仏語圏でないリビアや中東へもつながっています。
仏語圏でない多くのリビア人がチュニジアへ治療に訪れるのは、言語の壁がないからです。このような光景を目の当たりにするとアフリカ大陸でのアラビア語圏とフランス語圏の境目がチュニジアであると感じますし、MENA市場へ通じる人材も有します。
既にJICA事業でも、仏語圏アフリカ諸国や中東イラクの研修員の第三国研修先に、学びの場としてチュニジアが選ばれています。

3.チュニジアでの日本語人材の実態:2020年12月、日本能力検定試験が初実施

上述の通り、チュニジアはアフリカ市場にも周辺市場にもアクセスする上で戦略的な位置にいますが、チュニジアでの日本語学習者はあまり多くないように感じます。

チュニジアの若者は日本のアニメの影響でアニメ言葉を発することはありますが、K-popの影響から韓国語や、学習相手を探すために中国語で話かけられることがしばしばありました。

また、チュニジアでは日本語を本格的に学ぶ機会が少ないと言えます。
首都チュニスのブルギバ言語学院では諸外国語コースの1つとして日本語講座が開講されてはいますが、チュニジアを除く北アフリカのモロッコ、アルジェリア、エジプトでは、早い段階から「日本語能力試験」が国内で開催され、多くの日本語話者が育成されています。

それらの国の中には、大学に「日本語学科」が開設されている国もありますが、チュニジアでも、ついに2020年12月、国内で初となる公式の日本語能力試験が実施されることとなりました。
今回の公式試験の国内実施は、将来の日本語人材確保に向けて大きな一歩ではないでしょうか。

チュニジアの日本語人材確保はまだ始まったばかりですが、今後アフリカ大陸、中東やヨーロッパ大陸に進出検討する企業にとっては多文化、多言語に対応する人材として強力な即戦力となり得ます。

また、さらに未知なる市場であるアフリカ中央部の諸国にも、仏語やアラビア語を公用語としている国々が多々あります。これらの国々への進出を検討する際、技術面に長けた理系のチュニジア人人材を活用することも有益でしょう。

今回は、中東・アフリカ双方に属するチュニジアの国際的立ち位置について触れてきました。日本語試験実施が最近実施されたことからも、チュニジアと日本との関係性は今後、日本企業のアフリカ市場進出に向けて加速すると予想されます。

また、チュニジアはアフリカ市場においてアラビア語圏とフランス語圏にもつながっており、アフリカ諸国間のパートナーシップ構築の上でも重要な役割を果たすのではないでしょうか。


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