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チュニジア現地レポート(第4回): ヨーロッパ・中東・アフリカで活躍するチュニジア人人材の実態

こちらの記事は、ヨーロッパや中東・アフリカで活躍できる人材に関心がある経営者や事業責任者の方々にお伝えしたい情報です。

2022年8月開催予定のアフリカ開発会議(TICAD8)開催国であるチュニジア。

チュニジア在住の弊社スタッフSが、
チュニジア北部・南部両方での居住経験をもとに、
工業・人材・食・生活・美容など
多種多様なチュニジアの魅力を様々な角度からご紹介していきます。

前回の記事では、チュニジア国内に進出済みの日本企業3社の事例をご紹介しました。

今回の記事では、チュニジア人人材の実態を取り上げます。
とりわけ理系の医者、建築、土木関係のエンジニアには、
旧宗主国のフランスや仏語圏スイス、ベルギー、カナダのケベック州、
中東のアラブ首長国連邦などに仕事で滞在あるいは永住する人々が多くいます。

また、諸外国で活躍するチュニジア人というイメージは
近隣諸国にも認識されています。
私が以前滞在していたモロッコでは、
チュニジア人と言えば
ハリッサ(唐辛子をベースにしたチュニジアの調味料)と、
カナダに多くのチュニジア人が住んでいる
というイメージを持たれていました。

さらに、実際にチュニジアに居住してみて驚いたのは、
小国で人口も多くないにもかかわらず、
理系出身のチュニジア人への遭遇率が高かったことです。
今回の記事では、身近で接していた理系のチュニジア人と
彼らを取り巻く外国企業の実態についても触れていきます。

1.チュニジア人によるスイス企業とのリモート業務(3D Architectural Visualization Artist)

知人のチュニジア人は3DCGデザイナーとして、
少なくとも5~6年前から、某スイス建築関係企業の顧客向けに紹介する
立体画像を3Dデザインで作成するリモート業務を行っていました。

今でも多少珍しいケースかもしれませんが、
彼とスイス企業関係者との間に共通の知り合いがいたことに加えて、
何より彼自身の専門性と能力がスイス企業の求めるレベルに達していたこと、
フランス語での会話を難なくこなせたことが、
仕事に直結したのではないでしょうか。

欧州企業の業務は、
チュニジア人にとって国内の相場より高給であることが多く、
企業にとっては国内と同等レベルの技術人材に低価格で発注できるという
相互のメリットがあるといえます。

現在、彼はカナダの仏語圏へ職業移住し、
中南米出身の上司のもとで働いており、
優秀なチュニジア人が世界に羽ばたいているのがわかります。
一方、中にはその逆パターンもあり、
欧州などフランスで教育を受けたチュニジア人が
帰国してスタートアップ事業を立ち上げるという新たな風も起きています。

2.中東圏で働くチュニジア人(Architect、Teacher、Journalist)

チュニジアでは高等教育に上がるにつれ、フランス語での教育比重が高くなります。
そのため、大学以降の専門分野はフランス語なのですが、
ここでチュニジア人の適応能力が発揮されます。
中東圏の人々と話す際は、フランス語の表現や単語が
すべてアラビア語に切り替えられるのです。

国際都市ドバイを有するアラブ首長国連邦で
建築家として働く某チュニジア人は、
仕事に関するアラビア語の専門用語の切り替えに多少の時間は要するものの、
アラビア語が母語であることから、
フランス語を除いた会話への対応が可能なのです。

また、同国では英語もビジネス場面で使用されるため、
フランス語の教育課程のおかげか、
同じラテン語起源の言語のため英語での意思疎通も比較的容易になります。

さらに、これをアフリカ大陸の言語分布に置き換えたとき、
西アフリカ等のフランス語圏ではフランス語、
エジプトやスーダン等ではアラビア語での会話に切り替えるのです。

理系関係でないものの、
チュニジア政府は異文化交流事業の一環として、
昔からサウジアラビアへ5年任期の教師派遣を行っていました。
現在でも3年任期で継続しており、
これはチュニジア人の教育レベル及び
アラビア語レベルの高さを裏打ちしているのではないでしょうか。

さらに、中東屈指のカタールの有名なニュース番組「アルジャジーラ」は、
20カ国以上の全アラブ圏から優秀な人材を雇用しており、
ここでもチュニジア人が活躍しています。

3.チュニジア国内のドイツ企業に勤める女性エンジニア(Civil Engineer)

日本企業が特に参考にできるのは、ドイツ企業ではないでしょうか。

ドイツはアラビア語でもなければフランス語圏でもない国ですが、
欧州のエンジニアのレベルに劣らず、
ドイツ向けの仕事をチュニジア人技術者がこなしているところから、
チュニジア人の技術レベルの高さが伺えます。

ドイツ企業に務めるチュニジア人である彼女は、
ドイツ語を勉強していたわけではありません。
大学院までの専門教育をチュニジアで終え、
業務では自身の専門である土木工学(Civil Engineering)を駆使し、
英語でもコミュニケーションをとっています。
特に専門用語の多いエンジニアという職業はお互いの共通言語が違えども、
仕事をこなす上では意思疎通ができるのでしょう。

女性の場合、親元を離れてほしくない家庭も多い中、
彼女は故郷である南部を離れ、首都での仕事を実力で手に入れ、
さらに働きながら博士号取得に努めています。

高学歴のチュニジア人であれば、
フランスやカナダでの職業移住は比較的容易ですが、
彼女の場合、生まれ育った国から離れたくないという思いがあります。
こういったチュニジア人がいることは興味深く、
このような優秀な現地人材を確保することが
現地進出の鍵となるのではないでしょうか。

以上のように、
彼らの共通点は高等教育にかけて一貫してチュニジアで教育を受け、
世界市場に通用する人材になっているということです。
中には、機械エンジニア(Mechanical Engineer)として働いたのち、
数字だけに固執する世界に飽き、カフェを開き、映画を作る世界に挑んだりと、
日本社会でもあまり見受けられようなキャリアを経るチュニジア人も目にします。

今回取り上げたチュニジア人人材の実態は、
もちろんごく一部を紹介したにすぎません。
日本企業からみると、日本とは一線を引く働き方や
就業観の違いにも注視する必要がありますが、
これはチュニジアに限らず万国共通の課題であり、
思わぬ場所で良き人材にめぐりあうことがあるかもしれません。

日本企業にとってより良い人材を確保するため、
優秀な現地人材に広く門戸を開くような取り組みもまた必要ではないでしょうか。


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