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チュニジア現地レポート(第5回): 政治・経済・文化的な節目となるチュニジアの重要行事(2021年1~4月)

こちらの記事は、チュニジアの政治や経済の動向、アラブ圏の文化などに関心がある方々にお伝えしたい情報です。

2022年8月開催予定のアフリカ開発会議(TICAD8)開催国であるチュニジア。

チュニジア在住の弊社スタッフSが、
チュニジア北部・南部両方での居住経験をもとに、
工業・人材・食・生活・美容など
多種多様なチュニジアの魅力を様々な角度からご紹介していきます。

前回の記事では、ヨーロッパ・中東・アフリカで活躍するチュニジア人人材の実態についてご紹介しました。

今回の記事では、チュニジアで2021年年初から4月にかけて行われている、
政治・経済・文化的に重要な行事についてご紹介します。
日本との意外な接点や共通点にも注目します。

1.大きな節目を迎えた2021年の政治・経済行事(アラブの春から10年、国産人工衛星の打ち上げ)

10年前の2011年1月14日は、チュニジアの独裁政権が崩壊し、
今年は「アラブの春」から10年を迎える年となりました。
チュニジアの民主化運動は、その前年末から中南部で急拡大し、
年明けに他のアラブ諸国にも波及しました。

その頃、ウガンダから日本への帰路で経由地エジプトにいた私は
革命の影響による急遽の経路変更を余儀なくされたことを覚えています。

10周年にあたる今年は、諸外国のアラビア語主要報道機関でも
10年の軌跡をたどる様々な特集が放映されました。

時を同じくして、日本は2011年3月11日に忘れもしない東日本大震災が発生しました。

実は被災地となった宮城県石巻市は、20年以上前からチュニジアとの文化交流があり
同市にはチュニジア通り、カルタゴ通りと名付けられた通りが存在します。
震災当時、臨時代理大使らが駆け付け炊き出しなどが行われました
今年は両国にとって節目の10年です。

また、3月にはチュニジアの経済・産業発展の歴史上、
大きな節目となる行事がありました。
3月22日、北アフリカで初めてとなるチュニジア産の人工衛星”Challenge One”が
カザフスタン国内のロシア宇宙基地で打ち上げられました。

本来は独立記念65周年となる3月20日でしたが、基地局の都合によりその2日後、見事に打ち上げられました。
これで、チュニジアはアフリカ大陸で6番目となる宇宙産業参入国となりました。
この人工衛星は、チュニジア人エンジニアの手による100%国内産です。
また、宇宙産業と言えば米国NASAでも宇宙科学者(Planetary Scientist)として既にチュニジア人が活躍しています。

2.アラブ圏恒例の一大イベント断食月間!(ラマダン月)

4月13日から、ここチュニジアでもアラブ圏の一大行事にあたる
ラマダン月が始まりました。

ラマダン月とはヒジュラ歴の9月に該当し、
この1か月間は日中の飲食を断つことが実践され、
就業時間も通常より短縮されます。

断食という行為はもともと様々な宗教でも見受けられますが、
大部分がイスラム教徒を占めるアラブ圏では
最も大事な行事として現在でも行われています。

また太陰暦を使用するため、このラマダン月は毎年11日程ずれ、
33年で一巡するのですが、年によっては、暑い夏の日、
長い日中に当たってしまいます。
南部だと45度を超えることもあり、過酷さを増します。

しかし、この断食月間の楽しみといえば、夜のイベントと
普段はなかなか出回らない伝統菓子ではないかと思います。

さらに子供達にとっては、ラマダン明けのイードルフィトル
(直訳で「食事をとる事を祝う日」、約3日間。
この期間に親戚訪問することが礼儀とされています。)の初日に、
日本のお年玉のようなお金、言わば「イード玉」がもらえます。

このイードの前後は帰省するチュニジア人も多く交通機関も混み合い、
個人的には日本の年末年始に近いものを感じます。

※宗教的に比較的緩やかであると言われるチュニジアですが、
この断食月間は普段スーパーで手に入る酒類や、
レストランでの飲酒は1か月間停止となります。

この時期に出張や業務に当たった方は、
断食月間に入る前にまとめ買いすることをお勧めします。
また、ラマダン月の業務は通常よりスムーズに物事が進まない事が予想されます。

3.商売繫盛期のラマダン月(断食月間)

例年、一大行事であるラマダンの時期は、様々な業種の稼ぎ時でもあります。

ラマダン月は1年の中でドラマが最も放映される時期であり、
テレビ業界ではラマダン月の2か月前から制作準備を開始します。

小売業では、ラマダン月の日没後の第一食目となる夕食の前菜として
ナツメヤシの実とラーイブ(牛乳の発酵品)とを、
セットで毎回食すのが恒例となっています。
この月のナツメヤシの実とラーイブの消費量は、
他の月と比べものにならないほどです。

1か月間、毎日消費されるラーイブはスーパーに大量に陳列され、
またその後の夕食では普段はそれほど食べない“伝統的な”パンが食され、
この時期パン屋は大量生産のために臨時雇用を増やします。

ラマダン月間は日中、スーパーを除いてほぼ全ての飲食店が閉められます。
カフェや軽食屋は日没後にやっと開かれ、夜遅くまで大勢の人々で賑わいを見せます。
チュニジア人は普段からカフェで時間を過ごすことを好むのですが、
この時期の夜間のカフェ側の収益は1年の4分の1に及ぶとも言われています。

子育て世帯は、ラマダン明けのイードルフィトルの3日間の親戚訪問用に
子供に新しい服とおもちゃを贈ることも慣わしとなっており、
イードルフィトル前は服屋とおもちゃ屋は賑わいを見せ、
ここでも売り手側は稼ぎ時となっています。

※前述の通り、ラマダン月は普段よりも伝統菓子が多く食べられ
スーパーでも陳列されますし、さらに、
イードルフィトルの親戚訪問時の手土産として伝統菓子を持参することも習慣となっています。
この期間にチュニジアに来訪される方は、是非普段は目にしない
彩り豊かな伝統菓子に手を伸ばしてみるのも良いかもしれません。

以上のように、今回は毎年恒例のラマダン行事についても紹介しましたが、
今年も去年に引き続きコロナ禍でのラマダン月間を迎えることとなりました。

世界中でいまだに様々な業種で苦境に直面している人々もおり、
ここチュニジアでも飲食業等で影響を受けている人々がいます。
去年同様、例年通りのラマダン月間でないことも予想されます。
一日も早く、もとの生活に戻ればと思います。


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