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はじめての海外展開:よくある誤解を解消し、海外展開のハードルを下げる3つのポイント(1)

海外展開支援コンサルタントの杉田昌也です。
この記事は、海外へのビジネス展開をはじめて検討される企業の皆様にお伝えしたい情報です。

この記事は、海外へのビジネス展開をはじめて検討される企業の皆様にお伝えしたい情報です。

海外ビジネスが初めての方は特に、海外展開=ハードルが高い、という印象を持たれることが多いです。
ところが、そのハードルの高さは誤解に基づくものであったり、取り組み方次第で下げられるハードルであったりします。

この記事では、海外展開に関するよくある誤解を解消し、取り組みのハードルを下げるための考え方や方法をシリーズでご紹介していきます。

1. 海外展開=現地に法人や工場をつくること(海外”進出”)?

海外へのビジネス展開とは、現地に法人や工場をつくる「海外”進出”」だけを指すものではありません。

ざっと挙げるだけでも、まずは現地企業との信頼関係を構築する交流(非公式の協力会社やパートナー企業として)から始まり、輸出取引、代理店・販売店契約、業務提携、駐在員/現地事務所開設、現地企業M&A、現地法人設立(共同出資、独資)、現地工場設立(共同経営、独自経営)など、様々な形があり得ます。

現地でのビジネスの基盤を段階的に固めていくことでリスクを管理しながら、徐々に大きな経営判断・投資判断を行って現地拠点の設立に移行するのが、海外展開の現実的な取り組み方です。

2. 海外ビジネスでは流暢な英語が必要?

海外ビジネス環境の多くで共通言語となる英語は、上手く使えればベターです。日常会話をはじめとして、最低限の英語を学ぶ努力や実践は必要でしょう。

ただし、海外展開に取り組む上で、英語が上手くなることは最優先事項ではありません。

最も重要なことは、自分が海外のお客様に提供できる価値(商品・サービス等)を持っていること、そして、同じ人間同士として、海外のお客様を尊重できるかどうかです。英語は、それらを実現するための道具にすぎません。

日本国内では、英会話学校の広告をはじめとしたメディアの刷り込みで、ネイティブレベルの流暢な英語を目指したり、文法や単語の些細な誤りを恥じる風潮がありますが、通訳などの英語のプロでない限り、海外ビジネスにおいてそのような風潮を気にする必要は全くありません。

最近では、翻訳の質が高くなったGoogle翻訳や、関係者間でやりとりする情報を集約できるチャットワークをはじめ、無料・安価で活用できる翻訳アプリやコミュニケーション支援のツールが増えました。
以前と比較して、言語・コミュニケーション面での海外展開のハードルは低くなっています。

ご参考として、82歳のアプリ開発者、若宮さんの記事をご覧ください。
言語(道具)よりも中身(商品・サービス、提供できる価値)が大切であることを象徴する好例です。

参考記事:英文メールはグーグル翻訳のコピペでOK~「82歳プログラマー」の天才的発想~

3. 海外展開の「計画」は、時間をかけて入念に?

一部の海外展開支援セミナーや指南本、公的支援機関の相談窓口等では、海外展開の「計画」を入念に行うことが推奨されています。

しかしながら、急激に変化する現在の海外ビジネス環境に適応するには、海外展開の「計画」に数ヶ月もかけるような手法は適切ではありません。綿密な計画が故に、ビジネス環境の変化についていけないというリスクすらあります。

お客様の業種や現地とのネットワーク、現地での事業実績の有無にもよりますが、弊社でおすすめしている、海外展開初期の一般的な進め方と所要日数の目安は以下のとおりです。
(許認可の申請、危険物の輸出など、長期間を要する手続き対応の必要がない前提です)

・関心のある国について、WEB上で一般公開情報(関連法制度、外資規制、投資優遇、関税、許認可など)を収集(1週間)
・海外展開の社内合意形成と、ラフな計画策定(2~3週間)
※この時点までに英語版のWEBページ(最低1ページ)やPR資料を準備
・基礎的な情報収集のための現地視察・関係者面談、展示会への出展など(数日~1週間程度)
※有望な顧客がいればテスト販売や輸出の検討へ
※海外展開に消極的な関係者が社内にいる場合、視察に参加し、現地の懸念点を直接確認してもらう
・ビジネス展開の意思決定や投資判断を行うための本格的な現地調査と商談の準備(1ヶ月)
・本格的な現地調査と商談の実施(1~2週間)
・契約条件の最終交渉、契約の合意と取引開始へ(数週間~数ヶ月)

これらの行動計画をまずは大枠で設定した後、すぐにアクションを起こすことが重要です。最初は手探り、小さな一歩でかまいません。小さなPDCAを何度も回すことで、現場の状況に応じて計画を軌道修正していきましょう。

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