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海外市場の調査を外注する前に確認すべき3つのポイント(2)

海外展開支援コンサルタントの杉田昌也です。
この記事は、海外市場調査の外注を検討している方々にお伝えしたい情報です。貴社に必要な調査内容の絞り込みと、小規模・複数回の調査を貴社自身で行うこと、ノウハウの習得を加速させる外部専門家の活用についてご紹介します。

1. 自社の経営資源量を踏まえて、本当に必要な調査内容を絞り込む

日本国内の市場が成熟する中、成長が著しい海外市場へのビジネス展開を検討される方々も多いと思います。ターゲット国の市場に関する情報収集を行う際に、その費用対効果を最大化するには、市場全体の情報を細部に渡って満遍なく集めようとするのではなく、貴社の設備(製品製造能力)や組織・人材、海外ビジネスに充てられる資金などの経営資源量を踏まえて、現時点で必要な情報が何かを見極めることが重要です。

つまり、十分な設備や人材、資金があり、ターゲット国でも一定割合の市場シェアを獲得したいと考える企業の場合は、その市場全体の規模やシェア、将来見通し、競合他社製品の情報等を網羅的に把握しておくことは重要であり、そのための大規模な市場調査にも意味があります。

一方で、多くの企業では自社製品の製造能力や人材、資金に一定の制約がある場合が大半です。このような企業には、無理なく持続的に収益を上げていくために目指すべき「適切な売上規模」があるはずです。つまり、少なすぎると利益が出ず、多すぎるとリスクの高い設備投資等の判断が必要になる、このような売上規模のことです。

海外展開にあたり、この「適切な売上規模」の達成を当面の目標とする場合は、市場全体の網羅的な情報は必ずしも必要ではありません。調査会社の言うままに市場全体の調査を発注するのではなく、例えば、貴社が希望する売上規模に対応する代理店や販売先候補企業の情報や、それらの代理店が取り扱う範囲での競合他社製品情報など、調査項目を真に必要な内容に絞り込むことで、外注の費用も大きく減らすことができるでしょう。

2. 小規模・複数回の自社調査でPDCAを繰り返す

もし、単発の大規模調査に投じる資金があるのであれば、それをいくつかに分割した上で、貴社自身での小規模な調査や営業活動、製品の現地デモンストレーション等を複数回行うことをお勧めします。

現在は世界的な資本・人材の移動、情報技術の発展等を背景に、ビジネス環境の変化がますます激しくなっています。この状況下、貴社が市場のニーズを汲み取りながらビジネスを拡大する上で、単発の大規模調査の結果に基づく大きな投資は必ずしも得策ではありません。変化に対応するためには、市場のニーズを短い周期で継続的に吸い上げ、製品の微調整やテストを重ねることによるPDCAを短期間に何度も繰り返すことが重要になります。

3. 外部専門家を活用しつつ、社内にもノウハウを蓄積する

前述のような小規模・複数回の調査を自社で繰り返し行うためには、現地での調査・営業方法や、関係者とのコミュニケーション方法、現地でのリスク管理といった、海外ビジネス全般の基礎的なノウハウが必要です。

言語や距離の壁を超えたコミュニケーションについては、無料で活用できる高品質の機械翻訳やコミュニケーションツール等を活用できるため、以前よりもはるかにハードルが下がっています。

他方で、ターゲット国での調査や営業に関する経験・ノウハウについては、貴社が自力での経験を積むことはもとより、初期の段階で専門家の力を借りることで、現地活動の効率と成果を大幅に高めつつ、習得できるノウハウの幅も広げることができます。

貴社内の海外ビジネス担当者と並走し、人材の育成やノウハウの移転も支援できる外部専門家の活用が、将来的に海外ビジネスを自立的に展開していくための近道になります。

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